環境の要素
◆界面活性とは
「界面」とは気体、及び液体、固体が互いに接する境界面を指す物理化学の用語で界面活性剤はこの界面の種類を変える効果の大きい物質をいいます。
馴染まないものを馴染ませる働きがあり、洗剤の中でのその働きは「洗剤で物を洗う」という過程の中で水にぬれにくいプラスチックの食器をぬれやすくさせ、また繊維束の中に水をしみ込ませる働きをし、さらに油分と水分を混ざり合わせて汚れをはぎ取って洗いやすくするためのものです。
界面活性剤の主な働きは次の通りです。
界面を変える 水の表面張力を低下させ洗剤がつるつるのモノの表面に取り付きやすくし、また繊維束の隙間にしみ込みやすくします。
湿潤、浸透の作用 化学繊維やプラスチックなど水をはじくようなモノでも水にぬれるようにします。
乳化作用 油と水のように混じり合わない2つの液体を混ぜ合わせ、乳化状態にします。したがって頭髪の油汚れや食器の油汚れを水中に拡散し洗い流せる状態にします。なお乳化の目的で使用される界面活性剤を乳化剤と呼び食品業界でも使われています。
分散、懸濁作用 乳化した油どうしが再結合しないようにし、細かい粒子にしてそのまま分散させておくはたらきです。安定剤と呼び、これも食品業界で使われます。
起泡、消泡 「泡」は界面活性剤の水溶液と空気の界面に生ずる現象です。気泡力で泡を作ることもでき、逆に種類の違う界面活性剤を加えてその泡を消失させることもできます。泡ができるときにモノに付着した汚れの幾分かをはぎ取ります。しかし泡立ちが良いから汚れがよく落ちるというのではありません。
可溶化作用 水と油に界面活性剤を加えて混合する場合、条件によっては透明な溶液を作ることができます。この現象を「可溶化」と呼んでいます。
殺菌作用 界面活性剤のなかには殺菌力、殺精子力を持つものがあります。河川に廃棄した場合に問題となります。
吸着作用 油性の物質を他の物質から引き離す働きをすることもあります。
このように界面活性剤は「洗う」という過程の中でとても便利な作用をしてくれます。便利な反面、環境への影響も大きく内分泌攪乱物質(環境ホルモン)の一部ともなっています。
従来からの「石けん」もすべてではありませんがこれらの作用を備えています。
石けんも一種の界面活性剤ですが環境への影響は合成洗剤に比べてはるかに小さく、人への影響が皆無に近いことは石けんが使われて2百年以上の歴史の中で証明されています。
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資料提供 日本アトピー協会